占い師になったきっかけ [占い]

…という質問をよくされます。
興味本位で聞く方もいますが、「私のようになりたい」と思って聞く方もいます。
「私のように…」というと語弊がありますが、それは私の人となりというよりも、占い師という仕事で、地元メディアに取り上げられたり、ある程度顧客がいて、何年も黒字を出し続けるようになりたい、という意味です。
私がタロット占いをするようになったきっかけを聞いて、それをトレースすれば自分もそうなれるとでも、思っているのでしょう。

聞かれればある程度のことは話しますが、正直、何の参考にもならないと思います。

プロ、アマ問わず、タロット占いをする方は、「タロットに魅了されて…」とか、「学生時代からタロットが好きでずっとやっていて…」という方が大半だと思います。

私の場合はもともと占いとかそういうのに興味はなかったので、スタート地点からして違います。


それで良ければお読みください。小学校以外は幼稚園から最終学歴まで、ずっとミッション系に通っていました。
そのお陰でキリスト教に関する知識は、自然と備わっていました。

小学校に上がったころからは、たぶん演劇全般が好きだったのでしょう。機会さえあれば、映画やオペラ、宝塚、京劇を見ていました。ただ歌舞伎はあんまり好きではなかったです。
特にオペラの影響だと思いますが、その辺りからギリシャ神話などにも興味を持ち、そこを皮切りにエジプト神話やローマ神話、アーサー王伝説を読むようになりました。

タロットとの最初の出会いは、たぶん中一の時に読んだ澁澤龍彦の「黒魔術の手帳」だと思います。
黒魔術の手帳.jpg(当時読んでいた本)
出会いと言っても、直接現物に触れたわけではなく、活字と図で見ただけです。
しかもタロット・カードじゃなくタロック・カードになってます。誤植ではなくイタリア風に発音したようです。
「古代カルタの謎」というタイトルを付けていましたが、なかなかよく研究して書かれていましたが、さほど興味を持つこともなく、「ご縁があればいつか現物にお目にかかれるかも」くらいの気持ちでした。

あと中学時代はゲーテやヘッセ、カフカなどドイツ文学を中心に読書をしてました。
本を読むときは、その作品が書かれた国や時代背景をまず調べてから、読むようになりました。

高校生になった頃は、サガンの「悲しみよ こんにちは」からフランス文学をメインに読むようになりました。ランボー、ヴェルレーヌ、ボードレール、マラルメなどの詩や、コクトーやカミュが好きでした。
あと、この頃から、ぼちぼち洋書も読むようになり、古文が苦手だったので、主に日本や中国の本を英語で読んでました。王陽明の「伝習録」や「孫子の兵法」とか。

最終学歴は短大なのですが、英米文学を専攻していたので、この時期は主に英米文学です。
特に大学才人(エリザベス朝のイギリスで活躍した大卒の作家)のクリストファー・マーロウやトマス・キッドを研究していました。

当時は今のようにインターネットやアマゾンなんかなくて、洋書を買う時は、海外の出版社や書店から個人輸入してました。
中でもお世話になったのは、イギリスのHatchardsさま。
http://www.hatchards.co.uk/
1797年創業の書店で、ロイヤル・ワラントもお持ちです。
メンバーズ・カードを作っていただいたのですが、何と名前の前に…
□Duke/Duchess
□Marquess/Marchioness
□Earl/Countess
  ・
  ・
  ・
みたいな感じで称号をチェックする欄があるわけですよ。
庶民はMr./Mrs./Missです。(現在はこの欄はありません)

というわけで、私のメンバーズ・カードも称号入りです。
hatchards.jpg
どうでもいいことですが…。

ここのいい点は、老舗なので絶版になった本でも何とか残ってたりするところです。
(かなりマニアックでした)

学校を出て社会人になってもこんな感じでしたが、この頃も、占い師になりたかったわけではなく、他にやりたい仕事がありました。


タロットをやるようになったのは、ほんのちょっとしたきっかけで、知人相手にちょっとしかやらないつもりだったので、鑑定の時は本名を使ってました。
ぃゃ、何か中二病みたいな読みにくい感じを羅列したような名前とか、カタカナの欧米風の名前を名乗るのも、未だに抵抗ありますし。

そしたら何と、地元の雑誌から取材依頼があり、記者のお嬢さんがかわいかったので、ついOKしてしまいました(泣
その後、常連さんから頼まれて、ある会社のホーム・ページで1年間占いコーナーを連載してしまったり、うっかりラジオ出演したり。

現在はメディアの取材などはお断りしていますが、それでも毎週1~2人は新規のお客様が来てくださっています。


天職(お金にはならなくても好きでやる仕事)・適職(適正があり、収入につながる仕事)で言えば、適職だったんだと思います。


きっかけをどうつかんだかというよりは、学生時代から道楽を追究していたら、いつの間にかタロット占いにたどり着いたというか、ただ好きで読んでいた本や得た知識が、タロット占い師として最低限の基礎固めになっていたようです。

私の好きなカウンターテノール歌手のフィリップ・ジャルスキーももともとは声楽ではなくバイオリンをやってましたし。

ヒーローズ~ヴィヴァルディ・オペラ・アリア集

ヒーローズ~ヴィヴァルディ・オペラ・アリア集

  • アーティスト: ヴィヴァルディ,スピノジ(ジャン=クリストフ),スピノジ(ジャン=クリストフ),アンサンブル・マテウス
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2007/01/24
  • メディア: CD



本当に、人生何が起こるかわかりません。

余談ですが、個人的には「文武両道」を目指しているので、知識を得た後は汗を流すようにしています。
3年ほど前は「ビリーズ・ブート・キャンプ」をやっていました。
それから今にいたるまでは少林寺拳法(中国武術)を暇さえあればやっています。
DVDを見てまねしてるだけなのですが。
これもたぶん、タロットの足しになってる気がします。
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tenha

ここ暫く専門的な記事が多かったので「ほぉ~」とか「む、難しい・・・」とか一人パソの前で唸りながら読ませて頂いておりました^^;

で、今回ですが・・・
やはり、『タロット』云々ではなく、何かを物にしようとするT-Rさんの過程(姿勢?)に惚れます^^
そして「やっぱホンモンはちゃうわ~」と思いますね^^
ん?ホンモンというのはですね・・・
『タロット』が当たるとか当たらないとかそういう低レベルなものではなくて^^;ネットで仕入れた知識とか本で見た雑学なんかでお茶を濁すのではない、『血と汗と金』のかかった正真正銘の『力』です^^

えっと・・・
『血と汗と涙』ではなく『血と汗と金』なのは・・・
T-Rさんの経歴を見れば普通に「金かかるなぁ~」て思いますよね^^

世の中『タダ』で『楽して』『短時間』でスターダム!!
って思う人が多いですが(って、自分も人の事言えませんけど^^;)そんなおいしい話はないわけで・・・
その点T-Rさんが掛けてきたお金、時間、労力・・・
そら、メッキもんとは一味もふた味もちゃいますよね^^

しかし・・・
古文が苦手な為、洋書で読んでいたとは・・・^^;
自分は逆に西洋系が苦手です^^;
古典だったら一日中読んでも飽きませんね^^;

と、お喋りがすぎたようです^^;
え~これからも楽しみに読ませて頂きますので、また顔を出させて頂きます^^
by tenha (2010-06-26 00:27) 

Tarot-Reader

tenhaさま、お久しぶりです。
ええ(^_^;)こっちはそういう記事ばっかりにしようかな、と思いまして…(あっちのブログはストレス解消専用で)。

「血と汗」は流してるかもしれませんが、結構、図書館で間に合わせてるのもあるので、タダで得た知識も多々あります。
それに、オペラなどは実際に劇場に足を運んで観たものもありますが、
NHKで放映されたのもかなりあります。
もうNHK様様です。

確かに外国から本を取り寄せるときは大人買いしてましたが。
送金は、学生なのでカードが持てず、郵便局で1000円の手数料を払って、国際為替みたいなのを作ってました。

…結局ただの道楽者ですね。

お金をかけたと言えば、最近のスピリチュアルなんちゃら~を目指す人でしょう。そういう講座に100~300万かけたという人はざらにいます。
そして未だにプロにはなれなかったり、開業しても客が来なかったり…(-m-;)
楽して手に入るものなんてないってことでしょうね。
まぁ、あっちのブログでまたネタにします。

古典は本当に苦手で、あれを読むくらいなら英訳を読みます。
漢字にお強いtenhaさまには、本当に頭が下がります。
by Tarot-Reader (2010-06-26 22:58) 

cucciola

こんにちは!

幼少時からキリスト教に触れていたところまでは僭越ながら同じような立場でしたが、その後の経歴を拝見してびっくり。
やはり積み重ねというのは大変な力になるものなんですね。
ただ「読む」のではなく「読み込んだ」結果なんだと思います、この教養の深さは。
それにしても、人生の岐路となる「本」との出会いというのは忘れがたいものですね。それが中一の渋沢龍彦とは渋い!
私は小学校五年生の時に出会った永井路子著「歴史を騒がせた女たち」でした。あれで歴史好きに火がついたのですが、こんなに奥の深い読書はしてこなかったのが悔やまれます。

タロットには私はご縁がないのですが、ただの「占い」ではなくさまざまな文化や歴史を抱合しているところが興味深いです。
私の母は一時期「四柱推命」を東京まで勉強しに通っていましたが、脇で見ていてあれもあまりの複雑さに舌を巻いた記憶がありますが。

またいろいろなこぼれ話を楽しみにしております。
by cucciola (2010-06-30 23:33) 

Tarot-Reader

cucciolaさま、こんばんは。

経歴というか、ただの道楽の記録です(^_^;)

私も永井路子さんの「歴史をさわがせた女たち(外国編)」読んでました(≧∀≦)
確か中学生の頃です。いつか「ローザ・ルクセンブルク」について調べようと思って、しるしをつけたままになってました(-_-;)
あれを小学5年生で読んでるcucciolaもかなり渋いと思います。

あくまで文学主体だったので、私の歴史に関する知識ははおまけみたいなものです。ただ、何も知らずに読むよりも、当時の歴史的背景を知った上で読むと、また違った趣があります。

道楽と好奇心の結果がいつのまにかタロットにつながってた感じです。

「四柱推命」とはすごいですね(@_@;)
ちょっと見ただけで拒絶反応が起きそうです。
確か、結婚の時期や、寿命まで分かるとか…。
でもギリシャ神話のピネウスの例もあるので、私の思う占いとはちょっと違う気がしました。

ピネウス↓
http://d.hatena.ne.jp/Tarot-Reader/20091006/1254842697

by Tarot-Reader (2010-07-01 22:36) 

マイン

神話や西洋(というか歴史全般)にお詳しいのに、本当に頭が下がる思い。。。というか、とにかくすごいなあ。。。の一言です。
私はなんでも聞きかじりなので爆 Tarot-Readerさんの教養の深さ、それがものになるTarot-Readerさんの頭脳は本当に別次元の方だ。。。と思います。
(私みたいな人間が語ってはいけませんが。。。^^;)
武道をやられてるというのも、なんか納得できてしまいました。

恥ずかしながら、「トートの書」注文しました。。。
Tarot-Redarさんには洋書をすすめていただきましたが、英語が壊滅的にダメなもので。。。爆(すいません。。。汗)
結局翻訳版を買いました^^;
Tarot-Redarさんのように読みこなせるかはわかりませんが、少しでも理解できるようにしたいと思います。
タロットを理解するにはまずは聖書から!!とお叱りを受けそうですが。。。^^;汗



by マイン (2010-07-04 21:34) 

Tarot-Reader

マインさん、恐縮です(^_^;)
ぃゃ、本当、あくまで道楽なんですよ。

私の占いは「99%の知識と1%のひらめき」で出来ています。
=知識さえあれば誰でもできる占いです。
特に霊感とか占いの才能があるわけではないです。


トート・タロットはかなりたくさんの象徴が描かれていますが、それも多種多様な宗教からなので、知らないと読めないタロットという印象をうけました。

聖書は私のスタート地点だっただけで、たぶん、「トートの書」を読むと最初に勉強したくなるのはエジプト神話ではないでしょうか。
名前からしてTHOTH(=トト神)ですから。他にもカバラや錬金術、タオイズムまで勉強することになると思いますが、がんばってください。

>武道をやられてるというのも、なんか納得できてしまいました。

そうですか…。たぶん、脳味噌も筋肉でできていると思います。
by Tarot-Reader (2010-07-04 22:59) 

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