王昭君 [歴史・人物]
中国四大美人と呼ばれる女性たちがいます。
川で洗濯する姿に魚が見とれ、泳ぐのを忘れてしまったと言われる沈魚美人 ・西施。
天下を憂いて物思いに耽る姿のあまりの美しさに、月が恥じて雲に隠れてしまったと言われる閉月美人 ・貂蝉。「三国志」でもおなじみですね。
散歩すると庭の花が妃の美貌と体から発する芳香に気圧されてしぼんでしまったと言われる羞花美人・楊貴妃。
そして、故郷の方向へ飛んでいく雁を見ながら望郷の思いをこめて琵琶をかき鳴らした所、彼女の姿と悲しい調べに魅入られて雁が次々に落ちてきたと言われる落雁美人・王昭君。
前漢の元帝(BC75‐BC33)の時代の人です。匈奴の呼韓邪単于が漢の女性を妻にしたいと申し出ます。
そこで、後宮の女性の中から一番醜い女性にしようということで、画家たちに宮女の似顔絵を描かせます。みんな少しでも美しく描いてもらうために画家に賄賂を渡しましたが、王昭君は、自分の美しさに誇りと自信を持っており、賄賂は必要ないと渡しませんでした。
それが気に入らない画家は王昭君を一番醜く描き、匈奴の呼韓邪単于の元へ嫁ぐことになりました。
しかし、元帝が嫁がせる前に一目会っておこうと、王昭君を呼びつけます。そこにいたのは似顔絵とは似ても似つかぬ美女。
そこで元帝は画家たちの不正を知り、その首をはねたと伝えられています。
その後、王昭君は匈奴の地へ嫁ぎます。
夫・呼韓邪単于の死後は遊牧民の慣習に従い、レヴィレート婚(近親婚)をすることになるのですが、「誇り高き漢民族がそんな真似はできない」と拒みます。
最終的には漢王朝の命令により、結婚を承諾するのですが…。
この話には、レヴィレート婚を拒み、自ら命を絶ったという逸話もありますが、フィクションとされています。
詩人・白居易は
満面胡沙満鬢風(おもてにみつるこさ びんにみつるかぜ)
眉銷残黛臉銷紅(まゆはざんたいきえ かおはべにきゆ)
愁苦辛勤憔悴尽(しゅうく しんぎんして しょうすいしつくれば)
如今却似画図中(じょこんかえって がとのうちににたり)
訳)顔は砂漠の塵にまみれ、側面の髪は風に乱れる。眉にはまゆずみが消えかかり、頬紅も色あせた。悲しみや苦しみのため、憔悴しつくしてしまった。今の姿は、あの醜い肖像画そっくり。
などという詩を残していますが、王昭君の内面からにじみ出る気高い美しさは、砂漠の埃くらいでは色あせることはなかったと思います。
川で洗濯する姿に魚が見とれ、泳ぐのを忘れてしまったと言われる沈魚美人 ・西施。
天下を憂いて物思いに耽る姿のあまりの美しさに、月が恥じて雲に隠れてしまったと言われる閉月美人 ・貂蝉。「三国志」でもおなじみですね。
散歩すると庭の花が妃の美貌と体から発する芳香に気圧されてしぼんでしまったと言われる羞花美人・楊貴妃。
そして、故郷の方向へ飛んでいく雁を見ながら望郷の思いをこめて琵琶をかき鳴らした所、彼女の姿と悲しい調べに魅入られて雁が次々に落ちてきたと言われる落雁美人・王昭君。
前漢の元帝(BC75‐BC33)の時代の人です。匈奴の呼韓邪単于が漢の女性を妻にしたいと申し出ます。
そこで、後宮の女性の中から一番醜い女性にしようということで、画家たちに宮女の似顔絵を描かせます。みんな少しでも美しく描いてもらうために画家に賄賂を渡しましたが、王昭君は、自分の美しさに誇りと自信を持っており、賄賂は必要ないと渡しませんでした。
それが気に入らない画家は王昭君を一番醜く描き、匈奴の呼韓邪単于の元へ嫁ぐことになりました。
しかし、元帝が嫁がせる前に一目会っておこうと、王昭君を呼びつけます。そこにいたのは似顔絵とは似ても似つかぬ美女。
そこで元帝は画家たちの不正を知り、その首をはねたと伝えられています。
その後、王昭君は匈奴の地へ嫁ぎます。
夫・呼韓邪単于の死後は遊牧民の慣習に従い、レヴィレート婚(近親婚)をすることになるのですが、「誇り高き漢民族がそんな真似はできない」と拒みます。
最終的には漢王朝の命令により、結婚を承諾するのですが…。
この話には、レヴィレート婚を拒み、自ら命を絶ったという逸話もありますが、フィクションとされています。
詩人・白居易は
満面胡沙満鬢風(おもてにみつるこさ びんにみつるかぜ)
眉銷残黛臉銷紅(まゆはざんたいきえ かおはべにきゆ)
愁苦辛勤憔悴尽(しゅうく しんぎんして しょうすいしつくれば)
如今却似画図中(じょこんかえって がとのうちににたり)
訳)顔は砂漠の塵にまみれ、側面の髪は風に乱れる。眉にはまゆずみが消えかかり、頬紅も色あせた。悲しみや苦しみのため、憔悴しつくしてしまった。今の姿は、あの醜い肖像画そっくり。
などという詩を残していますが、王昭君の内面からにじみ出る気高い美しさは、砂漠の埃くらいでは色あせることはなかったと思います。
2010-07-13 00:51
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こんばんは!
大変な美人だったという王昭君、私もどんな人だったのか知りた買ったんですが日本では彼女に関する本って少ないですよね。
唯一、藤水名子と言う人の小説を読んだんですが、そこに登場する王昭君はたおやかな宮廷の女、というよりたくましく匈奴の生活に順応していく女が描かれていてちょっとがくっとなった思い出があります。
白居易も厳しいこと言ってるんですね!あの見にくい肖像画にそっくり、なんて。
私も彼女が失ったのはいわゆる宮廷女としての美であって、人間としての美しさは匈奴でも失われなかったと信じています。
by cucciola (2010-08-03 04:57)
cucciolaさま、こんばんは!
コメントありがとうございます。
>唯一、藤水名子と言う人の小説を読んだんですが、そこに登場する王昭君はたおやかな宮廷の女、というよりたくましく匈奴の生活に順応していく女が描かれていてちょっとがくっとなった思い出があります。
私は読んだことないのですが、そうなんですね…
詩は白居易の十代のころの作品と言われています。
(個人的にはあんまり白居易は好きじゃないです…)
あと、王昭君を詠んだことで有名なのは李白でしょうか。まんま匈奴に嫁いだいきさつが書いてありましたが。
それにしても中国の美人の褒め方って微妙ですね(^_^;)
by Tarot-Reader (2010-08-04 22:07)