Saint Joan [映画]

1925年にノーベル文学賞を取った作品で、イギリスの作家バーナード・ショウのSaint Joanという作品があります。
Saint Joanとは、ジャンヌ・ダルクのこと。一部では英雄視され、また別の角度からは悲劇のヒロインとされた彼女の葛藤を描いた戯曲です。
何度も上演された作品で、後にジーン・セバーグのデビュー作となります。

saint joan.jpg
ジーン・セバーグのSaint Joan (1957年)

年老いた国王シャルルの前に亡霊となったジャンヌ・ダルクが現れるという設定や、おとぎ話かディズニー・アニメのような衣装やセットに違和感がありましたが、台詞の随所にバーナード・ショウらしい哲学を感じました。
その中のいつくかをご紹介したいと思います。

神様は孤独だから強いのよ
神様が弱気な忠告に従ったらどうなる?
孤立することで強くなりたい
神様がいるから心強いわ
神様は私を見捨てない
知恵と愛を下さる
神様の強さに守られて死ぬまで突き進む

熱さは数分だけれど 人生の苦しみは何年も続いていく

死なないことが人生じゃない 飢えなど怖くない
私はパンだけで生きられる
パンがなくても悲しくはないし 水がないことも苦しみではない
つらいのは光を閉ざされること

戦いながら敵を愛するのは簡単よ 冒涜は祈りに通じる
でもあなたは冒涜も祈りもしない
神様も私を許すわ そんな人は愛せない

ジャンヌ・ダルクを演じたジーン・セバーグのトレード・マークはベリー・ショートの髪。
まるで「現代のジャンヌ・ダルク」でした。
そのプライベートも、公民権運動や反戦運動に傾倒し、全国有色人向上協会‎やブラック・パンサーをサポートしたり、と社会や世間との戦いでした。
その戦いの中、彼女は徐々に精神を病んでいきます。
そして"Forgive me. I can no longer live with my nerves."(許してください。私の神経ではこれ以上生きていけません)との遺言を残し、1979年、アルコールと薬物により帰らぬ人となりました。


もしも彼女のデビュー作が「Saint Joan」でなかったら、もっと違った女優人生があったのではないかと思う今日この頃です。
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マイン

ジャンヌダルク。。。敬虔な信仰を貫いた女性か、もしくはちょっと狂信的な女性だったのか。。。私には判断できませんが^^;
でも今の時代のスピリチュアル大好きな女性にはお告げを聞いたからといって男性に混ざって命の危険を侵される戦場に出向いたりできませんよね。やはり歴史に名を残す人は凄いですね。
by マイン (2010-11-19 21:23) 

Tarot-Reader

>今の時代のスピリチュアル大好きな女性にはお告げを聞いたからといって男性に混ざって命の危険を侵される戦場に出向いたりできませんよね。

最近の「スピリチュアル大好き」さんたちはほとんどがただのスィーツですからね…(^ ^;)
時間がないだのお金がないだのと、言い訳を並べながら、結局好きなことだけやりたい人が多いです。

私が学生時代にも、周りにジャンヌ・ダルクに憧れる人が多かったです。信仰心からだったのか、ただの中二病だったのかは分かりませんが。

彼女がお告げを聞けなくなったのは、側近のピエールに恋をしてからだと言われています。
十代の女の子を男ばかりの環境に放り込んで、恋をするなっていうのが無理があったと思いますが…(^ ^;)
ちなみにもう一人の側近ジル・ド・レは後に「青髭」のモデルになりました。ジャンヌ・ダルクが処刑された後、おかしくなったと言われています。
また、ジャンヌの死後、偽ジャンヌ・ダルクが現れたりしたこともあったみたいです。
この辺も調べると面白い話がいろいろと出てきそうです(^m^)
by Tarot-Reader (2010-11-19 23:21) 

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