暗黒街のふたり [映画]

ギロチン…というとマリー・アントワネットなど、かなり古い時代を思い浮かべますが、フランスでは1981年に死刑が廃止されるまでは、ギロチンが使われていました。実際に最後のギロチンが行われたのは1976年ですが。

暗黒街のふたり.jpg

「陪審員のみなさん 死刑という名の殺人に加担しないでください」
弁護士の言葉に反して、ギロチン刑となったジノ。

ジノが犯した罪とは…!?
銀行強盗として逮捕されたジノ(アラン・ドロン)は12年の服役刑となりますが、保護司・カズヌーブ(ジャン・ギャバン)の力添えにより、10年に刑期を短縮してもらい、愛する妻の元へ帰ります。昔の仲間がまた悪の道に引き込もうとちょっかいを出すこともありましたが、ジノは二度と悪事は働かないと、誘惑を押しのけます。
花屋で働く妻とささやかながら幸せな日々を送りますが、最愛の妻は事故であっけなくこの世を去ります。
一時期は自暴自棄となりますが、何とか立ち直り、新しい恋人もできた矢先、かつて自分を逮捕したゴワトロー警部に会います。
立ち直ったジノに執拗に付きまとい、彼の職場の上司や恋人に彼の評判を落とすようなことを吹聴します。
ゴワトローの執拗な付きまといについに彼は…!?



結局、ゴワトローは勇敢で優秀な警官となり、ジノは冷酷無比な殺人者にされてしまいます。
カズヌーブの言葉を借りれば、「双方が不幸な偶然の犠牲者」なのです。


ギロチン台へ向かいジノは、強い酒を飲まされ、タバコを吸わされます。しかしそこにあるのはただ「怖い」という感情のみ。


盗みとは、単に物質を盗むだけではなく、希望や幸福や喜び…人の大切にしている物を盗んでいくのです。

ダンテの「神曲」では、盗人は、蛇に噛まれ、炎となって燃え尽き、灰の中から再生紙、再び蛇に襲われるという地獄に堕ちると言われています。

ジノは立ち直ったにも関わらず、再度罪を犯すほどに追い詰められてしまいます。
これが罪を犯した対価、ということでしょうか。
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マイン

80年代まで。。。つい最近なんですね^^;汗

死刑の方法って国によって様々ですが、お国柄というか、「死」に対する捉え方が現れてる気もしますね。
by マイン (2010-09-03 00:12) 

Tarot-Reader

私がこの映画を見たのはもっと前だったので「ついこの前!?Σ(-∀-;)」と衝撃を受けました。

ギロチンはもともとは受刑者の苦しみを軽減するために考案されたそうですが、切り落とされた首がその後5分ほど生きたという記録も残っているそうで。。。

この映画、まだ駆け出しだったころのジェラール・ドパルデューが名前もない役で出ています(^m^)
まさかこんな大物になるとは…。
by Tarot-Reader (2010-09-03 21:22) 

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